「瀧口修造文庫」について--- 文庫の設立と概要 [ English

 

■ 瀧口修造文庫は、1986年、故瀧口修造氏の旧蔵資料をもとに設立された。この資料は、瀧口綾子夫人のご厚意と、多摩美術大学教授(現名誉教授)東野芳明氏、ならびに、シュルレアリスム研究の第一人者で明治学院大学教授である巖谷國士氏らのご協力で、多摩美術大学図書館にご寄贈いただいたものである。資料の内容は、和書約3,500冊、洋書2,500冊、雑誌3,000冊さらにポスター約200点およびグルッポTの作品資料など約一万点におよぶ。これらの資料は次の4つに大別される。
  1. ダダ・シュルレアリスム関係の専門的な資料がおよそ800点、2. 瀧口修造は戦後日本の若い芸術家たちから精神的な支柱として慕われていたが、それら若い友人たちの関係する美術書、文学書、パンフレット類、3. 瀧口修造が執筆活動や創作活動を行う上で、基礎資料として利用したもの、いわゆる一般書の類、4. 最後に瀧口修造自身の著作物であるが、これは原稿やノート数点、単行書10点、関連図書約80冊、他に論文掲載の雑誌や監修した全集などが含まれている。ただし、ご夫人が最後まで愛蔵されていた資料は含まれていない。現在はまだ整理中であるが、その一方で、文庫の充実のため資料収集にも努めており、赤瀬川原平氏から千円札裁判資料(瀧口氏旧蔵資料)をご寄贈いただいた。他にも瀧口修造関連文献、ダダ・シュルレアリスム文献を中心に収集活動を行っている。また、瀧口修造文庫の全面的な公開への第一歩として、1996年夏に、多摩美術大学と目黒区美術館の共催による「1953年ライトアップ展」において「蒼風個展」パンフレットほか図書34点雑誌17点を展示している。同年秋には、八王子キャンパスの大学付属美術館において文庫所蔵ポスター展を開催し、同時にポスター・コレクション目録を刊行した。
  さらに学外の展覧会などを通じての資料の公開も行っており、1995年2月ギンザ・グラフィック・ギャラリーの「日本のブック・デザイン展1946-1995」には『余白に書く』を初めとする瀧口修造氏の装丁本10点、1995-1996年冬の東京都写真美術館の「シュルレアリスムと写真展」に1928年刊アンドレ・ブルトン著『ナジャ』ほかシュルレアリスム関係書籍7点を出品している。
  また多摩美術大学図書館は、瀧口修造文庫とも関連の深い北園克衛文庫も収蔵している。北園文庫は1993年に購入されたもので、北園氏の全著作、自筆原稿200枚、自筆句帖1冊、同人雑誌『VOU』158冊、『風流陣』全48冊など貴重な資料が数多く収められている。詳しくは、北園克衛文庫のウェブサイトをご覧いただきたい。
 
 
  恩蔵昇 (Noboru Onzo / 多摩美術大学附属図書館司書)

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